「旬の固定種野菜セット」の品種説明
6月前半
スナップ豌豆
スナップ豌豆は越冬野菜としては寒さに弱く、前季まではコンパニオンプランツとしてライ麦を周囲に播いて、防寒していました。この冬はライ麦の助けなく越冬した逞しい子たちです。褒めてあげてください。喜んでさらに美味しくなるかも☺
二十日大根(ラディッシュ)紅白 [はつかダイコン こうはく]
またの名をフレンチ・ブレックファースト。お手軽なのは生で塩や味噌マヨをつけて。でも、是非、試していただきたいのが、火を通しての一品。辛味が消え、生とは違う味が楽しめます。ソテーや丸ごと茹で酢味噌をつけてパクリ!茹でるときは少量の酢を入れると色がさらに鮮やかに。葉の部分を持ち、根の部分のみをしばらく茹でた後、葉も茹でてください。また、葉と共に縦に半分に切ってソテーや天麩羅(衣から色が透けて見えとてもきれい)、もちろん甘酢漬けも美味しいです。
ビエタ
イタリア人が好む茎が白いスイス・チャード(不断草)。栄養価が高く、くせがないので茹でても、煮ても、炒めても楽しめる嬉しい葉物です。
みやま小カブ
固定種野菜の種苗会社として知られている野口種苗さんが育種した、品評会で金賞を取り続けた有名な品種です。葉は小松菜よりも美味しいとの評判です。
リーフレタス オークリーフ
この品種には研修中に初めて種取り用の株の選別をさせてもらった思い出があり、是非、育てたい野菜でした。一般的にレタスはそれほど地力がなくても育つのですが、それもかなりの品種差があります。このレタスは肥沃な土がお好み。初年度は葉っぱが数枚出ただけの小さな小さなレタスでした。三年目に自家採種に成功して以来、セットにレギュラーとして登場しています。美しい葉形とお味をご堪能ください。
レッド・ロシアン・ケール
フリルのような緑の葉と、赤い葉脈のコントラストが美しいレッド・ケールです。ケールはキャベツの祖先で紀元前から人類と馴染みがあります。ケールト人が最初に栽培したのでケール!緑黄色野菜の王様と呼ばれる、栄養価の高い野菜です。苦味はなく、風味豊かでキャベツと同様に茹でても炒めても楽しめます。もちろんサラダにも。オープンでチップにも出来ます。
6月後半
岡山サラダ菜
昭和40年に岡山市の篤農家岡山氏が育成したサラダ菜は、にがみの効いた大人の味! 元気一杯のやわらかな菜っ葉です。
越谷インゲン [ こしがやインゲン ]
埼玉県越谷市で自然農法で守られてきた在来種です。インゲンの旨味を堪能ください。
ズッキーニ ボロネーゼ
実が太く短いのが特徴のイタリアからの品種です。お味には定評があり、さまざまなレシピで活躍しますが、シンプルに
8mm前後の輪切りをソテーで塩・こしょうがお気に入りです。地面に寝た状態で果実が大きくなるため、色が薄い部分があります。
株張り春菊 [ かぶはりシュンギク ]
「余り好きではなかったけれど、今は大好きです!」と言われる「月と星」の葉物野菜第一位が春菊です。日本には室町時代に中国を経て渡来したと言われ、馴染みの深い葉物。栄養価は高く、特に春菊に含まれているβ-カロチンはホウレン草を上回ります。春に咲く黄色い花はグラデーションのかかったものからツートンや単色などあり、種採りが楽しい野菜の一つ。株張り型は関西を中心に広く栽培されている品種です。幸いにも春菊にはF1品種はまだありません。
泉州黄玉ねぎ [ せんしゅうきタマネギ ]
収穫したての正真正銘の新玉ねぎ!自然農や有機でもめったに巡り会えない固定種玉ねぎは大阪出身の黄玉ねぎです。辛味は少なめですが、抑えたい時は水にさらすと旨みが出てしまうので、冷蔵庫で10分ほど冷やしてみてください。昨秋の早い冬の到来で割りばしほどの大きさになりたい苗が楊枝ほどで、今年はどこの農家の納屋の軒下もちょっと寂しい状況です。貴重な玉ねぎをご堪能ください。
不断草 [ ふだんそう ]
「四季絶えずあるゆえに不断草と名付るなるべし」と江戸時代に記されていた野菜のはずなのですが、昨年まで栽培していたスイス・チャードやビエタは少し暑くなると、また、寒くなると葉色が悪くなっていました。「不断草とは名ばかり?」と調べてみると、これらは明治以降に入ってきた西洋種と判明。原産地の地中海沿岸では、すでに紀元前から栽培されており、そこからアジアへ。中国を経由し、日本に16-17世紀ごろに伝来したのではと言われている在来種とは別物と分かりました。小葉種と呼ばれる在来種は西洋種と比べると、葉が小さく、軸も細め。現在はほとんど栽培されていないと知ると、興味深々。唯一、一軒の種屋で種が販売されており、昨春からセットに仲間入り。間もなく初代の種の収穫です。栄養価が高く、くせがないので茹でても、煮ても、炒めても楽しめる嬉しい葉物です。