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農園からの風

 

農園の様子を綴った、定期宅配のお客様へのお便りを少しこちらにご紹介します
農園の成長を辿りたい方はこちらからどうぞ。一番最初の記事はページ最下部にあります。

February 15, 2024

ピカピカと輝いています!

やっと完成しました。この冬の三大仕事の一つ、育苗ハウスのビニールの張替えです。

資材の納品が遅れ、さらに天候で作業を延期したため二週間遅れましたが、今回は職人さんに手伝っていただき、出来栄えには満足。耐用年数が三年のビニールを破れを継ぎ接ぎしながら、10年も頑張ってもらいました。流石に昨年は強力な台風が来たら吹き飛ばされるのでは、とハラハラでした。

 

中々、着手できなかったのは設計変更をしたかったからです。「月と星」の育苗は、可能な限り直射日光を当てる!しかし、天井のビニールを全開にしてはハウス内の気温が下がってしまいます。そのために苗トレイを置く位置にピッタリ日が当たるように天井のビニールを巻き上げられるようにした改修したかったのです。育苗期間は三月と四月の僅か二か月ですが、その間に太陽の黄道はかなり移動します。毎春、どこまでビニールが開くようにするか観察していたのですが、忙殺されて延期、延期とあっという間に10年。

今年の苗はどのような生育をするでしょうか。わずか二週間で「月と星」の春蒔き作業が開始です!

 

February 2, 2024

瞬く間に今年もひと月目が終わり、すでに如月。

少しずつ可照時間が長くなりつつあるものの、作業時間はまだまだ足りません。

今年の冬は例年の作業に加え、大仕事が三つもあるのです。

一つ目は育苗ハウスの設計変更とビニールの張替え、二つ目は裏山の木の伐採、そして、新イノシシ対策!

全てを無事に終え、春蒔き作業に辿り着つかなければ。。。必死!(笑)

 

January 17, 2024

本年、2024年はバイオダイナミック農業100周年です!

バイオダイナミック農業は1924年6月に行われたシュタイナーの八回の連続講義から生まれました。第一次世界大戦終結後に軍事産業で余剰となった薬品が化学肥料として使われだし、作物、特に種子や土壌の変化に危機感を持った農家がシュタイナーに長年依頼していた講義です。シュタイナーが1925年3月に帰天する前についに実現したのです。今や欧米諸国のみならずオーストラリア、インド、エジプト、南アフリカ共和国などでも農地面積は増えています。消費者にとってもドイツやスイスなどのヨーロッパ諸国では一般のスーパーでもバイオダイナミック農業の野菜や加工品が手に入るほど普及しています。日本での認知度を高めるために「月と星」が貢献できることは何か、今年は新たなチャレンジが増えそうな予感です。バイオダイナミック農業のPR活動へのご協力、大歓迎です!

December 11, 2023

十二月中旬にこの陽気。

やっと虫に煩わされることなく作業が出来るようになったのに、また刺されている。。。

順調に生育している葉物野菜がトウ立ちするのではハラハラです。

今年は最後の最後まで気候変動に振り回される一年のようです。

それでも力強く育ってくれる野菜とここまで出来てきた土壌に感謝の気持ちでいっぱいです。

残り僅かな本年が皆様にとってかけがいのない日々でありますように。

どうぞよいお年をお迎えください。

 

November 27, 2023

里芋の登場です!!!

例年、冬のセットのレギュラーとして大活躍してくれる里芋ですが、今年ほど彼らの登場が嬉しいことはなかったかもしれません。

 

今季は里芋が欠場かと思う事態でした。以前お話しした長ネギ同様、春の多雨で大被害にあった作物の一つです。ネギとは違い、里芋は水が大好きなのですが、さすがに種芋が水に浸かりすぎると腐ってしまいます。今年の種芋は今までで最も厳選し、これぞ「月と星」の里芋決定版!という意気込みで厳選した種芋だったのですが。。。

待てど暮らせど芽が出ない。痺れが切れる頃にやっと一株発芽、二株目、三株目、四株目とこのまま続くかと思ったのですが、そこで終わってしまいました。掘り上げてみると、腐っているもの、痕跡のないもの。慌てて保存してあった残りの種芋や自生えの芋を移植しましたが、それでも全ては発芽せず、三度目の植え付けも必要でした。

といった具合で発芽が大幅に遅れ、そしてその後はご存知の干ばつ。秋になっても数株を除いて、株の丈は例年の三分の一から半分以下。一体地下部ではどうなっているのか。。。

 

昨日の今季初の零下で完全に地上部はバタンキュー。これから2週間ほどで芋がぐんぐんと大きくなるのですが、怖い物見たさで本日試し堀をしてみました。

生育の早い早生品種の石川早生!

何とも嬉しいことに、親芋はまるで子芋ほどの大きさなのにそこにしっかりと子芋らしい大きさの芋がついているのです。何とかこの冬のセットに登場できそうです。

あっぱれ、あっぱれ、里芋たちよ! 本当にありがとう‼ 感無量!!!

 

November 8, 2023

秋の葉物満載の嬉しいセットが続いています。

今年の残暑は長く、虫の多さには悲鳴が上がる寸前でした(上がっていたかも?)。特に心配だったのがレッドロシアンケールや青梗菜、タアサイなどのアブラナ科の作物。紋白蝶はもちろんのこと、芯食い虫から大根サルハ虫などアブラナ科を好物とする者共はとても多いのです。彼らに食べ尽くされないための策は? 

たっぷり種を蒔く‼

これは採種農家だからこそ出来る「技」?(笑)

その代わり地道な間引き作業が必須。

今年の青梗菜とタアサイの出来には農家は大満足。どちらも開園当初はまともに育たなかった野菜です。頑張ってくれた野菜を褒めてあげてください。

 

さて、残念なお知らせが。。。

春の多雨と今季の猪の大活躍で欠品野菜があります。

この時期に登場するはずのバターナッツや東京かぼちゃは全て彼らが平らげてくれました。多湿が苦手な長ネギは春の多雨でほぼ全滅。ほかの野菜については後日お伝えします。

その代わりに、せっせと秋蒔きした作物が登場する予定ですのでお楽しみに!

 

October 16, 2023

今年は秋インゲンがセットに登場です。

隠元が好む季節は春と秋。六月のセットで活躍してくれますが、梅雨が明け、夏の到来とともにお別れ。そして、残暑が終わった頃に再び顔を見せてくれます。しかし、それは開園当初のお話。近年の夏の酷暑と旱魃で春に蒔かれた株が夏を越せなくなっていました。秋の隠元を楽しむには初夏に蒔きなおさないと無理なのか。。。と思っていたのですが、昨年、嬉しい驚きで秋に実を付けてくれました。昨春は種用の豆の出来が悪く、わずかな秋インゲンの鞘は全て種用に。

 

そして、今年。あの異常な夏。。。しかも冠水は一回のみ。

もちろん、期待はしていませんでした。でも、なんだかよい予感もありました。

昨年の越夏できた株からの種の耐暑性が強くなったおかげでしょうか。越谷インゲンと紫インゲン、ともに少量ですが収穫の喜び!特に紫インゲンは春に葉を鹿に食べられるという惨事があり、ほとんど収穫できなかったのです。逞しさに感動です。

 

開園以来十一年間の気候変動の激しさを経験し、今後のさらなる変動のもと露地栽培は可能なのだろうかと悩んでいました。今年の隠元の逞しさに少し希望を持てました。

 

隠元は初秋の季語です。

 

October 11, 2023

秋の到来はあるのかと心配になるほどの残暑でしたが、10月に入り、朝夕はぐっと気温が下がり始めました。先日は初めて10℃を切りました。朝露に濡れる野菜は気持ちがよさそうです。今季最初に蒔かれた打木源助大根、そして第二弾の国富大根、ともに間引きが終わり、ついに一本立ちに。気温の低下と共に葉をロゼッタ上に広げています。欠株にならないようにしっかり虫取り作業に励まねば!

 

蒔きなおしたケールや白菜などは元気に発芽し、順調に本葉3-4枚に。そして、気温が高かったため、例年よりは生育が遅れているものの春菊やほうれん草も畑に並んでいます。

 

周りのコメ農家さんは稲刈りが始まり、コンバインの音で賑やかな時期となりました。「月と星」の朝日米の稲刈りは今月末でしょうか。一年が瞬く間に過ぎていきます。

 

October 4, 2023

秋レタスが本日から登場!暑い日差しの中、頑張ってくれて本当に感謝!

そして、マコモダケもやっと太ってくれました。マコモダケが太るのは黒穂菌の生育のお陰なのですが、適温は15℃から25℃。秋の訪れと共に収穫です。しかし、今年は株が小さく、また、なんとウリボウが電柵をくぐり抜けて田んぼに入り、マコモダケの味を知ってしまいました。。。

 

September  25, 2023

今年は秋の到来が遅かったものの、先週の三回の雨で季節がやっと進んだようです。

日中は真夏日の日もありますが、朝夕はぐっと気温が下がり始めました。朝露に濡れる野菜は気持ちがよさそうです。今季最初に蒔かれた打木源助大根は間引きが終わり、ついに一本立ちに。欠株にならないようにしっかり虫取り作業に励まねば!

例年よりも遅く蒔いたものの、それでも暑かった。。。のは、ケールや白菜などのアブラナ科の葉物。虫取り作業が追い付かず、とほほ、ほぼ全滅。。。先日、蒔きなおしました。

 

明日の根菜の日はわずか一日。

ニンニクやラッキョウの植え付け、玉ねぎや蕪の播種と短くなっている日でどこまで出来るでしょうか。日の出前のバイオダイナミック調剤の撹拌と散布作業もある慌ただしい日に備えて、今夜は早寝です:)

September  4, 2023

 九月に入っても酷暑が続く毎日ですが、畑では秋冬野菜の播種が始まっています。イノシシ騒動で時間を大幅に取られ(まだ進行形ですが。。。)、作業はギリギリ。播種の前日に鞘から種を出す脱粒作業に追われています。それでもリーフレタスの第一弾は一昨日すでに苗が畑に定植されました。この二日間は真夏日でかなり苦しそう。。。冠水をしたくなってしまうのですが、定植直後の冠水は浅根になるため出来れば避けたい。頑張って!

 

そして、第一弾の大根、打木源助大根やレッドロシアンケールは順調に発芽し、アブラナ科特有のハート型の双葉を拡げています。

それにしても畑は砂漠状態。現れては消える雨マーク。前回の台風以来、まともな雨に恵まれていません。春は多雨に泣き、秋は少雨に泣く。。。今年はとことん厳しい~~~

 

August 21, 2023

夏には食べたいスイカ !

小玉スイカ 夢枕が登場です。

死守できて本当に嬉しい !! 

 

この数年、ご縁のなかった招かれざる客が今年は月と星の田畑に足繁く通ってくれています。

例年であれば スイカの前に登場するマクワウリ。 見事にほぼ全て50果近くを平らげてくれました。今までに彼らが一度も入ったことのない畑で、周囲は一部を除きしっかりと電気柵で守られていたのですが。。。 電気柵が張れない10メートルほどは1.5mの高さのフェンスで守られていました。上の田は放棄されており、セイタカアワダチソウが茂りフェンスにのしかかっている状態。このフェンスを潰して入ってきたのです。

 

初日に12果。

すぐにフェンスを補強しましたが、一度味をしめたら何としてでも入ってきます。

翌日には33果を平らげてくれ、畑に残るはわずか4果。

唐辛子でも塗ってギャフンと言わせたいと真剣に考えました。

今年は今までで一番よく世話が出来、各果に初めてトレイまで敷いたのです。それで 被害数量が確実に分かりました。

僅かな救いは、全滅した日の夜に猟師さんが置いてくださった檻に4匹のウリ棒を産んでいる母イノシシが入ったこと。

 

しかし、折れた心が癒やされる間もなく、わずか5日後に別の畑の大玉スイカも全滅!カラスからは死守できたのに。。。ウリ棒の活躍でしょうか。ウリ棒は電柵も走り抜けてしまうのです。

 

今年の獣害、異常気象による被害は語り尽くせません。

貴重なスイカ夢枕をどうぞご堪能ください。

August 14, 2023

台風7号様、岡山に恵みの雨をもたらしてくれました。感謝!

ゴーヤファンの皆様、この台風の雨で株が回復するのをお待ちください。台風前は僅か3-4㎝の大きさですでに黄色く熟し始めてしまう状態でした。子孫存続のために必死。全て摘果したので、これから健康な果実がつくのをご期待くださいませ。

 

August 7, 2023

梅雨明け以来の酷暑の日々、待ちに待った台風到来!

多少の暴風雨による被害があっても欲しい天水。

しかし、しかし、台風6号は進路を変え、風なし、雨はちょっぴり。

ほとんど焼け石に水。

さてさてどうしましょうか。。。

 

追記:台風対策でトマトを早めに収穫しています。

 

July 24, 2023

夏の野菜セットに〇〇〇がない?!

この三年間、欠場しておりましたが、今年はトマト、ステラ ミニトマトが登場です!

 

この三年間姿を消していたのは、三年前に正体不明の何者かによって全滅させられてしまったからなのです。トマトは第一花房で味見をし、第二花房で種を取り、第三花房からセットに登場していました。第一花房の試食で、第二花房の有望な実に種サインをつけ出したある朝、トマトの畝を見ると地面に赤いものが散らばっています。

はて?風でトマトが落ちた?

よく見ると多くの熟した実がちぎられています。

これはカラスの仕業!と思い、慌てて水糸を張りました。カラスにとっては羽を傷つけることは命にかかわります。それで羽に何かが触れるのを大変嫌うのです。黄色が見えない烏には黄色の水糸を地上約20cmと40cmの高さに張ると効果てきめん。

これで翌朝は安心と思っていたのですが。。。

全く状況が変わらず、さらに多くのトマトが無残な姿に。

犯人はカラスではないとなると???

今度はトマトの畝を地上1m までネットで囲いました。これであれば、もしカラス以外の鳥だとしても入れません。

ところが。。。

それでも翌朝、地面は赤い!

こうなるとヌートリア?

柔らかいネットに追加して、鋼の丈夫なネットを張り巡らしましたが、ヌートリアは穴を掘れます。これで効くか怪しいのですが、これ以上の対策はなく。

そして、翌朝、全く効果なし。がっくり。。。

そうこうしているうちに大雨が降り、球はどんどん割れてしまい、トマトを守り切れませんでした。

 

翌年も翌々年も犯人不明で対策も立てられず、とても怖くて作れませんでした。しかし、そろそろ種を更新しなければならない時期。どこにどうやって栽培しようかと悩みましたが、昨年マクワ瓜がカラス以外の攻撃を受けなかったことを思い出し、そこで試してみることに。なんとか水糸を張ってカラス対策をしただけで赤く熟したトマトの健康な姿を見ることができました!

どうぞ貴重な固定種のミニトマトをご堪能くださいませ。

 

July 8, 2023

お待たせしました。夏のセットの人気者 ときわ地這えキュウリの登場です!

例年であれば6月下旬から活躍しているのですが、今季は「セットに登場できるかハラハラドキドキ」第3位。

 

初年度から自家採集をしている品種で、昨年から近所のベテラン有機農家さんに試作をしていただいています。種が大きい!発芽率100%!双葉の葉がピーンと元気!そして、キュウリはどっしり重みがある!など、とても好評。

 

今春は事情により育苗作業を減らさねばならず、芽出しで100%発根を確認して、それを畑に直播しました。育苗するよりは発芽に時間がかかるのは分かっていましたが、待てど暮らせど出てこない。10日、2週間、2週間半でやっと3粒が芽を出しました。残りも順番に出てくれるのかとつい待ってしまったのですが。。。

やっと気が付きました。大雨が降るたびに完全に水没していたのです。

ときわが蒔かれた畑は里芋、ナス、キュウリが好む保水力のある畑。つまり水はけの悪い畑。今まではそれが利点でした。ところがこの春の大雨で何日間も水が引かない日が続き、発芽前のときわの種は腐ってしまっていたのです。

 

第2弾の白キュウリと一緒に登場。苦労したときわをご堪能ください。

追伸:ハラハラドキドキ 1位と2位の行方はまだ不明。

 

July 3, 2023

先日の果菜の日には田植えが無事に終わりました。稲作の作業は全てが一年に一度の作業です。つまり籾まきから田植え、稲刈、脱穀などに使う農機具も一年に一度しか使われません。毎年、古い農機具が稼働するか、そして、故障なく動くかとても心配。今年は田植え機の友好的な協力で順調に終えることができました(ホッ)。

 

しかし、田んぼを見ると苗が気持ちよさそうに並んではいるものの スカスカ???

今年は苗数が例年の半分しかなく、条間を広げて植えるしかありませんでした。もちろん 十分なだけの籾は蒔いたのですが…

 

一昨年は稲作を休んだため、昨年は二年ぶりの稲作でした。

まるで「二年分を楽しみなさい!」と言われたかのようで、籾の塩水選から始まり、苗代作り、籾まきなど、ほぼ全ての作業を二回するはめに。田植えは例年より三週間も遅くなりましたが、無事に美味しいお米が収穫できました。

 

昨年のあり得る全ての失敗の経験から、今年はこれ以上の失敗はない!と思い臨んだ稲作。そして蒔いた籾は見事にほぼ100%発芽!安堵と嬉しさでいっぱいであったのですが、それも束の間。。。

 

田んぼの中に作られた苗代には籾が蒔かれたトレイが並び、発芽までは保温のために白いシートで被われます。今年は暖かかったので、1cmほどの芽が出たところで少し早めにシートを外しました。しかし、最近は烏のいたずらが激しく、「もしや?」と思い見に行くと、いじられた跡が。慌ててアーチ状のトンネルを作り、二枚のネットを両側から被せ、トンネルの頂点で重ねたのですが、少々、隙間が開いていました。すでに水の入ったドロドロの田の中での作業で手が届かなかったのです。カラスは羽に物が触れることを非常に嫌がり、まずネットの中に入り込むことは決してありません。

これで安心のはずだったのですが。。。

 

翌朝、見に行くと、なんと稲が半分近く抜き取られて、荒らされている!

決して烏が入ることはないので、これはもしやヌートリアなどの網では効かない動物のいたずらか?どうやって苗を守るか?と悩んでいると犯人を目撃したご近所さんに出会いました。朝の犬の散歩でなんと見たものはスズメだったそうです。慌ててネット しっかり閉めましたが、この数ではとても足りないのは如実。。。

 

慌てて堆肥にしてしまった芽出しした籾を搔き集め、まだ 根が伸びきっていない籾をトレイの穴に入れ直しましたが、すでに水の入った折衷苗代では非常につらい作業。あまりにも時間がかかり、三割程度の欠株を埋めてギブアップ。結局、これらもほとんど発芽しませんでした。最後は「あるだけの苗を植えるしかない!」と諦め、臨んだ田植えでした。

惨事を乗り越え元気に育った苗は、きっとこれからすくすくと育ってくれるでしょう!

 

June 26, 2023

昨日の果菜の日には田植えが無事に終わりました。稲作の作業は全てが一年に一度の作業です。つまり籾まきから田植え、稲刈、脱穀などに使う農機具も一年に一度しか使われません。毎年、古い農機具が稼働するか、そして、故障なく動くかとても心配。今年は田植え機の友好的な協力で順調に終えることができました(ホッ)。

 

しかし、田んぼを見ると苗が気持ちよさそうに並んではいるものの スカスカ???

今年は苗数が例年の半分しかなく、条間を広げて植えるしかありませんでした。もちろん 十分なだけの籾は蒔いたのですが…

 

一昨年は稲作を休んだため、昨年は二年ぶりの稲作でした。

まるで「二年分を楽しみなさい!」と言われたかのようで、籾の塩水選から始まり、苗代作り、籾まきなど、ほぼ全ての作業を二回するはめに。田植えは例年より三週間も遅くなりましたが、無事に美味しいお米が収穫できました。

 

昨年のあり得る全ての失敗の経験から、今年はこれ以上の失敗はない!と思い臨んだ稲作。そして蒔いた籾は見事にほぼ100%発芽!安堵と嬉しさでいっぱいであったのですが、それも束の間。。。

 

田んぼの中に作られた苗代には籾が蒔かれたトレイが並び、発芽までは保温のために白いシートで被われます。今年は暖かかったので、1cmほどの芽が出たところで少し早めにシートを外しました。しかし、最近は烏のいたずらが激しく、「もしや?」と思い見に行くと、いじられた跡が。慌ててアーチ状のトンネルを作り、二枚のネットを両側から被せ、トンネルの頂点で重ねたのですが、少々、隙間が開いていました。すでに水の入ったドロドロの田の中での作業で手が届かなかったのです。カラスは羽に物が触れることを非常に嫌がり、まずネットの中に入り込むことは決してありません。

これで安心のはずだったのですが。。。

 

翌朝、見に行くと、なんと稲が半分近く抜き取られて、荒らされている!

決して烏が入ることはないので、これはもしやヌートリアなどの網では効かない動物のいたずらか?どうやって苗を守るか?と悩んでいると犯人を目撃したご近所さんに出会いました。朝の犬の散歩でなんと見たものはスズメだったそうです。慌ててネット しっかり閉めましたが、この数ではとても足りないのは如実。。。

 

慌てて堆肥にしてしまった芽出しした籾を搔き集め、まだ 根が伸びきっていない籾をトレイの穴に入れ直しましたが、すでに水の入った折衷苗代では非常につらい作業。あまりにも時間がかかり、三割程度の欠株を埋めてギブアップ。結局、これらもほとんど発芽しませんでした。最後は「あるだけの苗を植えるしかない!」と諦め、臨んだ田植えでした。

惨事を乗り越え元気に育った苗は、きっとこれからすくすくと育ってくれるでしょう!

 

June 14, 2023

今年は梅雨の晴れ間がほとんどなく、梅雨空が続く毎日です 。それでも 作物はわずかな日光を糧に必死に 生育しています。

多雨と夏日が少ないお陰で葉物野菜はトウ立ちせずに活躍してくれています。

 

今のセットに登場している春菊は早春に種が蒔かれました。別の畑では、昨年の晩夏に蒔まかれた春菊が秋から冬のセットで活躍し、寒さに耐えて無事越冬。春に黄色い花を咲かせ、明日の果菜の日に種の収穫です。

一般的な野菜の中では最も発芽率が低く 50%程度であることも。黄色い花びらの一つの花の様に見えますが、実は小花(ショウカ)と呼ばれる小さい花が多数集まって頭花(トウカ)と呼ばれる大きな花をつくっています。舌状花(ゼツジョウカ)と言われる花びら1枚1枚に めしべがあり、さらに花びらに囲まれた内部の一つ一つも筒状花(トウジョウカ)と言われる花です。それぞれが自家受粉し、種になります。 びっしりと詰まった 種はこの梅雨の最中に登熟し収穫されるのです。種には湿度は大敵。それが 発芽率が低い要因の一つでしょうか。

収穫作業中は雨が降りませんように。

 

May 31, 2023

新シーズンのスタートです!

気候変動で毎年、明らかに作物の生育が違い、頭を抱えることが増えているこの数年。

それに輪をかけたのが今年!になりそうです。

 

春のセットのスナップエンドウを楽しみにしていた方はごめんなさい。暖かすぎる今春、すでにほぼ収獲が終わってしまいました。開園当初は六月一杯セットに登場していたのですが、それが半月になり、とうとう皆無になってしまいました。端境期にはたっぷりあったのです。どうぞ来年は不定期宅配をお申し込みください。

 

今季はどんな 試練=挑戦=ワクワク が待ち受けているのか、少々恐ろしいですが、楽しく農業していきます(笑)。

どうぞよろしくお願いいたします!

March 15, 2023

晴れ渡った朝はしっかり氷点下になるものの、日中は汗ばむ陽気。

季節を先取りした温かさの中、越冬した野菜は次々とトウ立ちし始めています。

この春の採種予定の品種は少なめですが、種の更新が必須のものもあり気が抜けません。

 

種の更新?

種にも寿命があります。

種子寿命は人参や玉ねぎなど短いもので一年。つまり毎年採種が必要です。とは言うものの、これも保存状態次第です。

人参の種が収穫できるのはこの地域では一般的には7月上旬。そして、7月下旬には播種が始まります。収穫後に1-2週間の追熟期間も必要で脱粒作業にはとても時間が足りません。この様な事情から早くても蒔かれるのは翌年の夏。それでもしっかり発芽しています。

人参は最低でも30株の母本が必要と言われ、それだけの株を覆うトンネルを設営するのは至難の業。さらに人工授粉の方法は「軍手をはめた手で花傘を撫ぜる」。手間がかかるのです。それで交雑しないように、毎年一品種のみの採種にして自然交配で採種しています。

今年は黒田五寸人参が畑で越冬し、葉が立ち上がっています。

いずれ人参の花がセットに登場しますのでお楽しみに。

フクロウの声が聴こえる春の夜です。

 

March 1, 2023

今年もすでに弥生に入りました!

時の過ぎるのが早い、早い、早すぎる~

本格的な春の播種、育苗作業に入る前に終わりたかった冬季作業リストは例年通り未完のものが。。。

しかし、時間は止められません。時間泥棒に盗まれているような気さえしてくる。

モモ、Help me!

今夜の雨の前にせっせと耕運作業に汗をかいた一日でした。

さてさて、今季は誰が登場するのでしょうか。お楽しみに!

 

February 15, 2023

先週の二日ほどの三月並みの暖かい日を楽しんだ後、一転、今週は真冬の寒さが戻ってきました。大気が不安定で青空が顔を出したかと思うと、雪が舞い、木枯らしはピューピューと。これも二月ならではの天候。しかし、この冬が例年と違うのは降水量です。この時期には多く、作業に支障をきたしています。一番困っているのが培土の用意。年内にふるいで篩っておくべきでしたが間に合わず、新年早々のつもりがなかなか土が乾かず。。。

日が全く当たらない場所なので、凍ってしまうと溶けず、濡れてしまうと乾かず。

 

「月と星」の培土は100%自家製です。畑から出る残渣のみを野ざらしにしておくと一年で朽ちて土になります。それに朝日米の籾から作った籾殻燻炭と腐葉土を混ぜて育苗の土として使います。

 

次の雨予報は今週末。そのまえに乾くでしょうか。。。まもなく始まる春蒔き作業を前にソワソワです。

 

February 1, 2023

大寒波の到来で荒れた一週間でしたが、農園の冬作業は着々と捗っております。

「冬季のやることリスト」に今年初登場したのが「スズメバチの巣の撤去」!

そうです、九月末に発見した納屋の二階の軒下にぶら下がる、サッカーボールほどのキイロスズメバチの巣。

 

久しぶりに二階に上がってみると、巣の下の一階の屋根の上には数匹の蜂の死骸。そして巣外側の一部は崩れています。もちろんすでに空き家の状態。

巣の下には好都合の窓があり、屋内から三脚を立てると容易に巣に手が届きます。堅固な城と想像していたので、ハンマーで一打を与えれば根元から取れるかな。工具を揃えてイザ!

 

スコーンと飛ぶはずの巣に、ハンマーがザグ!とはまる。

そして崩れた巣の破片が頭上からパラパラパラ。

微風とはいえ三脚を設置したのは巣の風下。帽子と眼鏡で最悪の事態は回避したものの、スゴスゴと一時撤退。

それにしても巣がこんなに脆いとは。。。

喉を潤わせ、気を取り直して、フェイスシールド着用で再び三脚の上に。要領が分かったので、今度はバシバシと叩いて、下半分が陥落。次に巣の根元をゴンゴン叩いて上半分も陥落。あっぱれ!と自画自賛。

 

落とした巣を見に降りてみると、なんと巣の最下階には寒さの前に生まれなかった幼虫や蛹が数個凍死しています。下から眺めていた時は気持ちが悪かった外皮のマーブル模様も鑑賞するとなんとも美しい。木くずと蜂の唾液を混ぜ精妙に作られています。そして整然とならぶ正六角柱のハニカム構造。自然界の幾何学の美を目の当たりにして神秘的な気持ちになりました。

 

しかし、まだ作業は終わっていません。巣がしっかりと固定されていた部分をきれいに取り除かないと春にまた巣を作られるとか。これが手ごわい!

様々な工具を試して、最後に手にしたのが「のみ」。首が痛い姿勢で、しこしこと木くず糊を剥がすこと何分?

ひとまず初の巣撤去作業は完了しました。今春は上もよく見て再発防止しなければ。

 

January 18, 2023

一月中旬に結球レタス???

ハウス栽培を始めたのかしら?

驚かれる方も多いと思います。

 

昨今は周年流通しているレタスですが、彼らが好むのはこの地域では春と秋の天候。

この時期のレタス栽培には防寒設備が必須です。

土が見える畑を大切にしている「月と星」では防草対策を始め、栽培促進や防寒のためのビニール資材の使用はほぼ皆無です。

 

「ほぼ皆無」とは?

採種作物の越冬に必要な場合と畑で保存する作物(里芋)が例外的に人工的な素材で覆われています。

そして、今年の結球レタスは採種を目指している作物の一つ。

レタスの採種をご存じの方は首をかしげる内容ですが、結球レタスの種存続のために新たな方法を今年初めて挑戦しています。

朗報を初夏にご期待ください!

 

外葉の先が少々傷んでおりますが、ご了承ください。

 

January 6, 2023

新年あけましておめでとうございます。

 

今夜は本年初の満月(正確には明日の朝8時です)!

兎が嬉しそうに餅つきしています。

この一年が皆様にとって兎の様に跳躍できる年でありますように。

 

本年もよろしくお願いいたします。

 

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